『エレナの惑い』／『ヴェラの祈り』

　『父、帰る』“LEVIATHAN”のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督による長編2作『エレナの惑い』／『ヴェラの祈り』が2月21日（土）より神戸アートビレッジセンター（神戸市兵庫区）にて上映される。期間は3月13日（金）まで。（『エレナの惑い』は3月6日まで。）

＜ストーリー＞
男性優位主義の現代ロシアで資産家と再婚した女性の業をサスペンスフルに描いた『エレナの惑い』。
現代のモスクワ。初老の資産家・ウラジミル（アンドレイ・スミルノフ）と再婚したエレナ（ナジェジダ・マルキナ）は、高級マンションで、一見穏やかな何不自由のない生活を送っている。しかしその陰で、夫からは家政婦のような扱いを受け、働く気のない息子家族の生活費を工面していた。そんな日常が夫の急病により一変する。「明日、遺言を作成する」と言い出す夫。その時、彼女がとった行動とは…。

人間の内面に徹底的に迫った『ヴェラの祈り』。
夏を過ごすために、亡き父が遺した田舎の家を訪れたある家族。美しい景色の中で流れる静かな家族の時間は、妻ヴェラのある思いがけない告白で暗転していく。孤独より深い海の底を見てしまった女性の、戻れない道を描いた現代の「黙示録」。妻であること、そして母であるという立場に納まりきれない感情の熱波は、やがて家族そのものを飲み込む奔流となり、悲劇を引き起こしていく…。諦めと、そして諦められない何か――。それを身体の奥底に抱えてしまった時、ひとりの女性が見つめるのはいったい何なのか。

詳細情報