ストリート系の若き店主が作る上質な吉野葛の葛切り
神戸元町にオープンした『甘味処 かゑで』に行ってきました 神戸市
魅力的なお店が軒を連ねる神戸元町・乙仲通。そんな人気エリアに本葛を使った和菓子と日本茶のお店『甘味処 かゑで』(神戸市中央区)がオープン。注文を受けてから作る本葛の葛切りがいただけるとのことで行ってきました。
ほんのり明かりが灯った小さな看板や、開け放たれたガラス扉に誘われるように中へ。
モルタルで仕上げられた店内にはどっしりとした木のカウンターとテーブル。壁には写真や掛け軸、器やグッズを置く飾り棚も備え付けられ、洗練された雰囲気です。
カウンターでは店主の山内さんご夫妻が迎えてくれます。2人ともラフなストリートファッションに白衣を羽織り、凛とした空気感もありながら、どこかこちらの緊張感を解いてくれます。
開店のきっかけは、オーストラリアでの語学留学を終えて帰国した山内さんが、お菓子の材料会社を営んでいたご実家の縁で、創業450年の本葛製造会社「森野吉野葛本舗」(奈良県宇陀市)で手伝いをさせてもらったこと。
職人たちが葛の根っこから葛粉を精製する過程や、その技術を目の当たりにし「日本の文化はここにある。葛の良さを広めたい」と思ったのだそう。店内には職人の作業を撮影した貴重な写真や、葛の根の実物が展示されています。
製造工程を知り期待が高まったところで、葛切りを日本茶とのセットでお願いしました。注文が入ると、葛粉を水と合わせるところから作り始めます。これは一番食感のいい作り立てを提供するためなんだそう。
ほどなくして澄んだ氷水に冷やされた葛切りが運ばれてきました。輪島塗の漆器がクール!
幅広の葛切りを箸で掬ってみると、思った以上の厚みと重みを感じます。黒蜜につけていただくと、口の中一杯に感じる幸せなボリューム感。こんなに?と思うほどもっちりとしています。葛の香りもよく、のどごしつるん♪
黒蜜は、実は黒糖のえぐみが苦手だという山内さんが、葛の香りを邪魔しないようにと炊いた自家製。すっきりと柔らかな甘さが葛の香りを引き立たせます。これなら、とたっぷりつけることに。
日本茶は10種類あるラインナップからおすすめの静岡産「冴え緑(すっきり)」を。鉄瓶からいったん湯冷ましをしたお湯を、急須に注ぎます。
最後まで丁寧に振って淹れてくれます。最後の1滴がいちばん美味しいんだとか。
飲み口は爽やか、その後じわっと広がる甘みと味わいに癒されます。湯呑は九谷焼の宮内庁御用窯元「妙泉陶房」の山本長左さんの作品。山内さんが直接出向いて買い付けたそう。
陶房の代表でご兄弟の山本篤さんの湯呑も揃います。
お茶は同じ茶葉で3煎まで淹れてくれます。2煎目は渋み苦みが加わり、3煎目はさっぱりと、味の変化が楽しめます。
氷のたっぷり入ったグラスに淹れるアイスもこれからの季節にぴったり。「奥緑」はスッキリとした甘さが印象的でした。
今後は煎茶の蜜でいただくあんみつや和紅茶シロップのかき氷など、新メニューが登場予定。今後もますます気になります。
詳細情報
- 店舗
- 甘味処 かゑで
(神戸市中央区海岸通2丁目3-7)
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- 11:00~18:00
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